?Special Talk?
SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 2
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です。
私が思うに日
基に、 海外で力を
究者冥利に尽きます
ことではないかと思いま
服部
今、 日本の若者は内向き志
り海外に出たがらない 言い
思われますか。
私が子どもの頃は外国は夢の世界でし
ので、 高校から大学にかけて世界に出て
強しようという気持ちがかなりありまし
た。 日本が豊かになってからはハングリー
さがなくなってますよね。 もうそんな苦労
はしなくてもいいのでは いか いうこと
で、 内向きになっていることはあるかもし
れません。
もう一つ、 日本人が戦後世界でやってき
たことは正当に評価されている 、 日本
人は堂々として自信を持って生きていくべ
きだと思います。
外に出て、 世界レベルの中で
自分の立ち位置を知る
服部
最後にみなさんから
本学
の若い先生
方、 あるいは
本学
に対してメッセージがあ
りましたらお願いします。
仲
外に出て、
有名な研究者の方と直に
ディスカッションをしてみると、 自分が
やっている研究が世界的なレベルの中でど
ういう立ち位置にあるかが非常 よくわか
りますし、
勇気づけられます。 トップレベル
の方と会って交流するというのは 大
切なこ だと思います。
服部
若い人にはどんどん外に出ることを
勧めるとい
豊田
日本の教育を
得
てきたもの
は、 必ず世界で通
そういうものを海外
は、 その後の自信につな
と思っています。
澤田
私自身が、 海外指向であったか
うと答えは難し で 今回の海
大路教授の強い後押しや、 大学の援助
いった幸運の積み重ねによるものだ 思
ます。 しかし、 外に出てみないと分からな
厳しさや辛さ、 例えば、 ポスドクで雇われ
ていたのに突然解雇されたり、 ラボが無く
なってしまったりといった、 日本で あま
り起こらないようなことが海外では日常茶
飯事に起こるので、 厳しい中で生き残って
切磋琢磨している世界のレベルに触れるの
は良い経験 なると思います。
服部
ヨーロッパでもアメリカでも留学し
ている人の中には帰るところがない人もい
ます。 業績を上げて、 次の行き先を探さなけ
ればならないという人がかなりいます。 そ
れが逆にモチベーションを高め 良い研究
につながったりする 思います。 日本人は
安定していて、 帰ったらポストもあるとい
うのが良い点でもあ 、 弱い点でもある
の
かもしれません。
上仁
私は研修ではなく臨床見学をして
きたので、 レジデントを募集するインタ
ビューの場にも同席することができまし
た。 メイヨークリニックは毎週月曜日がイ
ンタビューの日で、 朝から候補者がズラリ
と並びます。 全米からインタビューに来る
にもセレクトがあって、 そこでレジデント
になる いうのは、 ものすごく難しいこと
上仁
やはり英語
日本で培ったもの
世界で研鑽を積む
服部
研究の内容とかレベル、 臨
のレベルですね、 今になってみ
カとそんなに技量という面では変
かもしれないとは思いますよね。 仲先
されている器
材の開発も、 この前
アメリカ
のオークランド大学から視察団が来られて
話していると、
彼らのところにないものが
ある。 そういう意味で日本で先進的なもの
を持ちつつ世界と対峙していくという姿勢
は大事ですよね。 豊田先生、 研究のほうでは
世界に負けませんか。
豊田
一般論として日本の研究施設とい
うのは、 設備的にも技術的にも世界をリー
ドすることはあっても、 遅れをとっている
ところは
あまり
ないような気がします。
で
すから、
一昔前のように良い研究環境を
求めて留学するということは、 今はそうい
う必要性はなくなっているのかなと思い
ます。
でも、 日本は
他国の文化と接する機会が
少ないので、 日本人が海外に出て研鑽を積
むということは、
それ
自体
素晴らしい価値
があるのではないかと思います。 特に海外
に行くと日本人というだけで高い評価をし
ていただけます。 恐らく私たちの上の世代
の
研究者
たち、 さらにもっと上の先生たち
が確かな技術を持って献身的な態度で留学
されてきた、 その結果だと思います。
つま
り、 そういう日本人の研究姿勢 そが世界
をリードしうる一つの要素だということ