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滋賀医科大学TOP > フォトニュース一覧 > 2010.12.14
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2010.12.14

「乳がんの長期予後(再発・死亡のリスクなど)を予測できる指標の特定」について記者発表を行いました。

 
 
 本学 臨床検査医学講座が、大阪府立成人病センターと共同で、323名の乳がん患者さんについて解析を行った結果、タンパク質「RB1CC1」が乳がんの長期予後(再発・死亡のリスクなど)を予測できる指標であることを特定し、この度、臨床検査医学講座 岡部教授・茶野准教授の出席のもと記者発表を行いました。

 通常、がんの治療においては5年生存が治療成功の一指針とされていますが、乳がんでは治療を8〜10年を行っても、再発や死亡に至るケースがあり、いつまで治療を行い、いつまで経過をフォローするべきかについての明確な科学的根拠ありませんでした。

 「RB1CC1」は、通常、細胞核内に存在するタンパク質ですが、これが、細胞核外に存在する場合や全く存在しない場合については予後が悪いということ、さらに、がん抑制分子として知られているタンパク質「RB1」及び「p53」と関連させ解析を行ったところ、この3者のうちどれかに異常がある場合においては、特に5年経過後の再発や死亡のリスクが高いことが明らかになりました。検査は、手術時や生検時に採取した病理標本を用いて実施できるため、新たに患者さんに負担をかけることはありません。

 記者からの取材に対し、茶野准教授は「これにより、乳がん患者さんの5年以上フォローが必要かどうかの判断は科学的根拠をもってできることになった。患者さんにとっても医師にとっても負担の軽減につながると考えます。」と語りました。
 
本件につきましては、現在のところ研究発表の段階でございます。本院で患者さんの要望に応じて実際に検査を実施するために、 体制整備や料金設定等の準備を進めているところです。
早急に体制等を整えた上で、本院ホームページ等を通じてご案内する予定です。何卒ご理解いただきますようお願いいたします。
(臨床検査医学講座教授 岡部英俊)


 
記者発表の様子   インタビューを受ける茶野准教授

 

 
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