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SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 3
れを除く 究を繰り返す
Treg よ
regの数を減ら
進むことがわかりまし
また、
本学の外科学講座
と連携して、 が
ん患者さんの腹水をカラムに
ところ、 非常に効率よく腹水の中
gを減らせることがわかりました。
メリットは低価格で扱いやすいこと
吸着材は繊維を材料とするもので、 製造
コストが安く、 実用化しやすいことが最大
のメリットです。 よく似た発想 、 抗体で
Treg すが、 抗体は
く、 長期保存
も
困難で製作費用
す。 繊維素材なら高
取り扱いやすく、 長期
ストも抗体に比べると抑え
ます。
抗がん剤のように投与するもの (
算) ではなく、 むしろ体内にある悪
を引き算するので、 安全性さえ確認でき
ば問題なく
使用
できることから、 開発?実
用化も短いスパンで可能です。
抗がん剤などに比べると副作用も少な
いのではないかと予測していますが、 これ
については
、 今後
臨床
試験
によって明らか
になると思います。
1回の治療で2週間くらい効果を維持
できるので、 治療の負担もそれほど大きく
ないうえ、 抗がん剤治療と併用すること
で、 抗がん剤治療の効果を上げたり、 抗が
ん剤の量を減らしたりできるのでは い
かと期待しています。
実用化で
研究ステージⅠ
26年度で
製品化する吸着材を
した後、 実用化に
向けて製造を開始する
予定です。 また、 カ
ニクイザルを使った性能と
を行っていきます。
ステージⅡでは、 体外循環吸着除
抗がん剤を加えた治療で、 抗がん剤
効果を上げる組み合わせ治療の有効性を
確認していく予定です。
そして安全性の確認を十分行ったうえ
で、 ステージⅢで治療効果の判定の臨床試
験を行って、 その後、 実用化に着手する予
定です。
現在本学では、 世界で初めてとなるサル
のがんモデルを製作中で、 それができれば
よりヒトに近いサルで、 TGF
‐
βおよび
Tregを除去する効果が確認でき、 実用
化に向けて弾みがつきます。
この治療法の実用化によって、 がん治療
の選択肢が広がることで、 少しでも患者さ
んに希望を持っていただけるように、 研究
を進めていきたいと考えています。
免疫抑制物質を吸着するがん治療用カラムの研究開発
*特異性が低い:この場合繊維素材を吸着材に用いると、
TGF-βやTreg以外のものを吸着したり、逆にTGF-βやTregの
吸着がもれたりするということ。
[抗体を用いた除去法との比較]
繊維素材を用いた除去法
(化学?物理修飾法)
メリット ?低価格 ?滅菌が容易
?長期使用が可能
デメリット ?特異性が低い
抗体を用いた除去法
(タンパク結合法)
メリット ?特異性が高い
デメリット ?高価 ?滅菌が困難
?有効期限が限られる
小笠原教授と寺本和雄特任講師
癌と免疫細胞(コンセプト)
癌細胞はTGF-βを分泌し、Tregを誘導
Tregはキラー細胞やNK細胞の
抗腫瘍活性を阻害
Tregの数を減らせば、
癌細胞の破壊が進む。
Treg
NK細胞
キラー細胞
キラー細胞
NK細胞
TGF-β
抗体
or
対外循環カラム
TGF-β
Treg
癌細胞
癌細胞