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「い
滋賀県
脳神経外科学講座
教授
野
の
ざ
き
﨑
和
か ず ひ こ
彦
高齢化に伴い増加が予測される
脳卒中発症件数
がん、 心臓病に次いで、 国民の死因の第3
位を占める脳卒中は、 後遺症が残りやすく、
要介護や寝たきりになる原因の第1位に
なっています。
滋賀県の脳卒中死亡者数は年間約
1200人前後で、 脳梗塞や脳出血による
死亡率は、 男女とも全国値と同様に減少傾
向にあります。 発症数についてみると、 初発
脳卒中は年間約3300例 再発を含める
と年間約6000例発症していると推定
されていますが、 滋賀県の
65歳以上人口の
増加率が全国第5位となっていることか
ら (国立社会保障?人口問題研究所都道府
県の将来推計人口
平成
19年5月推計) 、 高
齢化に伴って脳梗塞を中心に脳卒中の増加
傾向が続くと考えられます。
発症後
3時間以内の超急性期脳梗塞の症
例では、 血栓溶解薬アルテプラーゼ (
t‐
PA)
の投与が有効な治療法の一つであるとされ
ていますが、 経験を積んだ専門医師が適切
図っていくことが必要ですが、
医療に関する県内データで
は死亡者数のみで、 評価 ?
な設備を備えた施設において、 適応要件を満
たす場合に実施することが必要です。
治療の対象となる脳梗塞の発症率が他県
に比べて低いわけではなく、 また高度な治療
が行える日本脳卒中学会認定研修教育病院
な
らず行う
行われてきません
の人口当たりの比率が近畿圏では最も高い
滋賀県において、 アルテプラーゼの推定使用
症例数は
10万人当たり12. 8人で、 全国平
均の17. 9人を大きく下回っています。
アルテプラーゼを使用しなかった理由に
ついては、 3時間以内の時間的制限を越え
て搬送されてきたというケースが最も多
く、 全体の
46%となっています。
医療圏ごとの脳卒中診断治療体制の整備
を行って、 アルテプラーゼ実施可能医療機
タを解析して、 県内の脳卒中
したうえで 医療連携体
み、 その効果について
、 県民への情報公開
ていくことにな
脳卒中病、症
脳神経外科学講座 教授
野﨑 和彦
平成
25年度から実施される 「第
21」 には、脳卒中死亡率の
な目標として掲げられてい
高齢化社会を迎え、 医療費や介
24~
25年度の地域医療再生計画 (三
次医療圏) として 「脳卒中診療連携
24年5月に滋賀脳卒中データセンター
されました。
滋賀県の脳卒中医療の現状や事業の概要に