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SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 0
患者サービスの向上と診療支援体制の強化を目指して
安全対策の スムーズな動線
細菌検査室は、 バイオハ
感染症法に基づく施設基準
圧管理やHEPAフィルターを
ど、 検査室内や外部環境に配慮し
P2およ
び
P3レベルの施設整備を行いました。
病理検査室では、 ホルマリンや有機溶媒
どを使うため、 スタッフの安全に配慮して強
制排気システムを採用しています。
検査面積の大きい化学 ?血液検査室におい
ては、 感染対策の一環として、 機能面を考慮し
て検査の開始および終了場所には手洗いを設
置するなど 再開発の中で安全対策のための
環境整備を行いました。
検査部ではこの
34年間に、 検査機器や情報
システムの導入時などにコンセントやLAN
ケーブルの増設の電源工事等が繰り返し行わ
れてきたた めに、 電気 コ ー ド や
ケーブルが 天井に乱立 した状態と なっていま した。 改修 を契機に、
乱立した配 線を整理 見た目にも 整然とし働 きやすく将 来を見据え た環境整備
が実現しま
また、 スムー
査室では、 以前は
いたために部屋を出
無駄がありましたが、 患
守りながらも、 行き来しや
用の通路を確保することで効率
構築すること できました。
輸血検査室は、 血液製剤を扱う清潔エ
輸血検査を行う不潔エリアに区分し、 夜
ける検査技師以外の医療スタッフ (医師や看
師) の製剤出庫に、 迷わず安全に出庫できるため
の動線を確保しました。
以前は、 検査部の部門サーバーが検査部内の各
所に設置されていま たが、 再開発によって院内
の情報システムのサーバー室を確保しました。 一
元管理し、 既存サーバーを移設したことでスペー
スを確保することが可能となりました。 それに伴
い検査機器の配置を再検討、 また動線を簡略化し
たことで業務運営が円滑になりました。
このように、 環境整備と動線の確保によって
本来の検査室機能を十分に発揮できる検査室
になったと感じています。 また、 部門を超え ス
タッフ間の連携もさらに円滑になり、 医療チー
ムとしての機能も拡大充実したことは、 開発
の大きな成果であったと考えています。
なお、 緊急検査のために
24時間稼働している
検査室については、 今回は十分に改修すること
ができませんでしたが、 数年後の機器の更新時
には併せて改修を行っていただけるものと思っ
ています。
*
P2、
P3レベル:検査する病原菌の危険度を4段階に分
類して、 それぞれに必要な設備を定めた基準。
P2より危
険度の高い
P3は検査室全体を差圧管理し、 同時に開放で
きない前室を設けることなど 定められている。
さんのスペ
さらに、 採血
台の間仕切りや車
置、 また、 生理検査
式、 柵付きに変更して、
での個別化などを積極的に
安全とプライバシーを確保しま
診療支援体制の強化
(診察前検査の迅速化など)
外来では検査結果が出てから診察を行う診
察前検査が増え、 診察を行う上で検査の待ち
時間の短縮は、 診療支援体制を 化するため
の最重要課題となっていましたが、 再開発、 シ
ステム整備と業務改善によって、 診察前検査
の待ち時間を著しく短縮することができまし
た (従来の採血および検査の待ち時間は
50
?
90分、 現在では平均
48分 (最大でも
60分以内) 。
また、 検査結果が出るまでの時間 予想でき
るようになったことで、 診察の予約枠を細分
化できるようになり、 診療支援の強化に繋
がっています。
各科で行っていた尿検査は、 再開発に合わ
せ中央化するために、 検査部に中央採尿室と
尿検査室を新設す とともに尿検査システム
を導入、 2011年
9月から外来 (泌尿器科を
除く) の尿検査を検査部で一元化して実施、 診
療科の負担軽減に繋がっています。
また、 検査部から離れた場所にある救急部
は、 以前から救急外来 受診された患者さん
の採血検体の搬送が問題となっていました
が、 1階の新救急部と2階の検査部の間に検
体搬送できるエアシューターを設置するこ
とで、 検体を検査室まで持参していた医療ス
タッフの労力の軽減と迅速な検査体制を強化
するこ ができました。
スムーズな動線が確保された検査室