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SH I GA I DA I NEWS v o l . 1 9
ていくことで、 睡眠時の
先天性聴覚障害者にお
構築の問題などにつ
今後、 神経医学、
での広がりが ン
ことができました。
い寝息をたてる中等度
覚障害者は平均
激臭による涙
支障が
らいのさまざまな臭いを試した結果、 ワサ
ビの匂 が最も強烈で、 寝ている人でもす
ぐに気づくことから選ばれました。
中国体彩票app官方下载医学部附属病院内の睡眠検
査室で、 共同研究者である琵琶湖病院の村
上純一医師とともに、 聴覚障害のある人と
障害のない正常聴力者を対象として臨床実
験を行いました。
ポリグラフで被験者の睡眠を確認、 まず
無臭の気体を遠隔操作で室内に噴霧し、 睡
眠の継続を確認した後、 次にわさびの刺激
性臭気 (アリルイソチオシアネート:AI
T) を室内に噴霧して、 睡眠の深さ、 目を覚
ますまでと枕元のスイッチを押すまでの時
間と、 枕元の臭いの濃度を測定しました。
正常聴力者ではスプレーの噴霧音で目が
覚めないよう、 ホワイトノイズを流したり、
耳栓を使用してもらい、 聴覚障害者には手
話通訳者の協力をお願いしました。
一度で覚醒しない場合は
1.5分間隔で、 濃
度をだんだん濃くしながら、 脳波とビデオ
モニターで観察したところ、 鼻づまりの被
験者を除いて、 枕元に臭気が到達してから
2分半後までに被験者が目を覚ましてその
臨床実験でわさび臭による覚醒効
果を実証
臨床研究のきっかけは、 香りを医療な
どに応用するビジネスを展開する株式会
社シームスからの依頼でした。
聴覚に障害のある人のための警報装置
を開発するために、 眠っている人を臭気
で目覚めさせる技術を しているが、
臨床面での検証をしてもらいたいという
ことでした。 ミントやカラシなど
100種く
精神医学講座
講師 今井 眞
わさび 開発でイ
精神医学講座
講師
今井
精神医学講座の今井
眞講師が、
「わさび臭による覚醒とそれ
開発」 によって、6名の共同研究者ととも
21回イグ?ノーベル賞の
化学賞を受賞しました。火災など緊急時に眠っ
のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報
のです。 
イグ?ノーベル賞は、
「人々を笑わせ、そして考えさせて
られる賞で、 1991年に創設されました。この賞を企画運営
ユーモア雑誌 『風変わりな研究の年報』
Annals of Improbable Research
と、その
編集者であるマーク ? エイブラハムズ氏で、ハーバード ? コンピュータ
ド?ラドクリフSF協会などが共同スポンサーとなっています。
ノーベル賞のパロディとも言われ、中にはかなり皮肉が込められたものもあり
が、正統な科学研究についても賞の定義にのっとっている場合は受賞対象となりま
今井講師に受賞対象となった研究についてうかがいました。